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知識の呪縛とは?

多くの人は自分を教師だとは思っていないでしょう。しかし、いずれは誰しも、誰かに何かを教える立場になります。経験を積んで知識を得ていくうちに、その知識を教授することに対して自信を持つようになるかもしれません。
では、そうなるには一体どれほどの労力が要るのでしょうか?実は、それは思うほど簡単ではないのです。

親御さんならよくご存じでしょう。お子さんが理解できそうなことから教え始め、その過程でしっかり理解できるよう努めても、結局、言われたことをほとんど理解できていない、ということはよくあります。同じことを何度も繰り返し、大した進捗がないことにイライラしてしまうのです。こもしこのような経験がおありなら、あなたが「知識の呪縛」に陥っている可能性がある、ということになります。

知識の呪縛とは?

知識の呪縛とは、「人は知識のない立場から世界を見ることが難しい」という心理現象のことを言います。つまり、何かについて知識を積めば積むほど、自分より知識の少ない人の感覚や視点を理解し、共感することができなくなるのです。
自分の知識に深く浸りきっていると、新鮮な視点から世界を見ることができなくなります。それだけでなく、私たちは、「知らない」という現実や、その知識を習得するためにどれだけの時間がかかったかということを忘れてしまうのです。
教師であれ、生徒であれ、親であれ、科学者であれ、この先入観はもれなく全員に影響を及ぼします。しかし、いくつか重要な点を心に留めておけば、どうしようもない、という状態から抜け出すことが可能になるのです

知識の呪縛から逃れる方法

「知識の呪縛」を意識することで、自分のみならず他の人たちにもプラスの効果が期待できます

自分が「知識を持っている側」に立っているとき

1.生徒の現時点での知識レベルに合わせる
生徒の今の知識レベルは、あなたが思う生徒の知識レベルや、そうあってほしいと思う生徒の知識レベルと必ずしも合致するものではありません。生徒たちの現在の知識レベルと、情報が追加されたとき、その追加情報を理解する能力の程度を把握しておく必要があります。
蛇口から直接水を飲むのがうまくいかないように、情報を与えすぎると、飲み込みようのない知識で子どもを溺れさせることになります。情報はゆっくりと、一度に一杯ずつ差し出すがベストです。知識の全体像を把握するために、情報を構成要素ごとに分解し、自分が何を教え何を達成しようとしているのかを自問することから始めてください。次の単元や章に進む前に、本当に知識が伝わっているかどうかテストしてください。一日に10項目中途半端に教えるより、1項目を丁寧に教える方が簡単かもしれませんので、根気よく続けてください。

2.学習を継続する
知識の含まれない情報はあまり意味がなく、知識が豊かな情報は有用となります。何を教えようとしているのかを深く理解することで、教えるべきことの核心を掴み、それから、知識を簡潔にして教えるというプロセスを始めることができるのです。マーク・トウェインの名言「短い手紙を書く時間がなかったので、代わりに長い手紙を書いた」のように、簡略化するには労力が必要ですが、知識を教えることが目的なのであれば、時間をかける価値は十分にあります。わかりやすい平易な語句や、子どもたちがよく知っている考え方を用いることが効果的です。自分の教え方がどうだったか、感想や意見を求めましょう。あまり単純化しすぎると、その情報を意味のないものとしてしまうので、自分の目的を常に忘れないようにしましょう。

3.ストーリーにする
とはいえ、単純化しても解決しないこともあります。教えるべき知識がより深い考察を必要とすることがあります。どんなに熱心な学習者でも、無味乾燥で興味をそそらない学習には、関心を示さなくなっていきます。そんなとき、学習を前に進めるためには、教える内容を関連付けることが重要かもしれません。その方法のひとつが、情報や知識をストーリーにすることです。なにも作家になる必要はなく、生徒たちの名前を使ったり、個人的なことを引用するだけでもいいのです。ちょっとした工夫で、自分たちが主人公になったように想像させ、学習により集中させることができます。これは、他の方法では引き出せない効果といえるでしょう。

自分が「教えてもらっているのに理解できない」側に立っているとき。

1. 質問する
質問することそれ自体は簡単ですが、良い質問をすることは簡単とは言えません。学習の中では、良い質問というのは、より深い理解をもたらすものですが、良くない質問はただ答教えてもらうことの留まってしまいます。理解したと思っていることを、本当に理解しているのか確認することから始め、意味が明確にわからない場合には、別の表現で言いかえるように求めましょう。相手に待ってもらうことで、自分が答えをしっかりと考えることができます。より深く理解するために、なぜ、どのようにと質問を重ねましょう。質問をしなければ、自分が知っているつもりになっているだけで、より込み入った概念が出てきたときに、十分に理解できないかもしれません。

2. 事前に知識を入手しておく
可能であれば、事前に単語や概念に慣れておきましょう。そうすると、知らない単語に足止めされる時間が減り、会話の中でその意味をより深く理解することができるようになります。どんな種類の媒体であろうとも、基本的な理解を深めより良い準備をするために利用すればよいのです。また、理解できない点を理解できるようにするための質問を用意しておくのもよいでしょう。

3. 説明を簡略化してもらう
大人は大人として、10代は10代として、児童は児童として教えられるのが基本ですが、かと言ってそれが絶対、ということはありません。「もう少し簡単に説明してください」と頼めば、あなたにとって有効なだけでなく、教える側も別の視点から物事を見る必要がある、ということに気づくことができるでしょう。

まとめ

専門家であることの最大の難点は、初心者の視点から物事を見ることが難しくなるという点です。この問題をさらに深刻にしている原因は、知ることと教えることは別のスキルであるにもかかわらず、あなたは知識を持っているから、と教える立場に置かれてしまう点にあります。思えば、語学学校では、教える能力ではなく、その言語を話す能力をみて教師を採用しがちです。知ることと教えることのギャップを埋めるには、相応の新しいスキルを身につける必要があります。

シンプルかつ記憶に残るような説明ができる人が、最高の教師と言えましょう。単に情報を伝えるのではなく、知識を含んだ情報を伝えるのです。生徒の反応を注視し、計算された方法で情報をもたらすよう動きます。このような細かなスキルを使って、生徒の学習だけでなく、自分自身の学習も進めているのです。
次、理解が困難に感じるときがきたら、それが「なぜ」なのかを考え、必要な対策を講じましょう。知識の呪縛は、私たちがその出現を警戒している限り、克服するチャンスは来ないのです。

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